教授挨拶,講座沿革

教授挨拶

河内明宏

平成25年8月1日付で、泌尿器科学講座教授を拝命いたしました河内明宏です。泌尿器科学の診療内容のご案内をいたします。
泌尿器科は副腎、尿路、男性生殖器を扱う科です。これらの臓器には多くの病気があり、その病気を診断し、薬物や手術で治療を行います。少子・高齢化社会に入っています近年は、高齢者に多い癌、前立腺肥大症や過活動膀胱などの排尿障害、女性における骨盤性器脱などの泌尿器科領域の病気が増加しています。また、小児の数は減少していますが、夜尿症などの治療対象疾患が増え、患者数としては増加していくものと考えています。
このような中で当講座は、根治とQOLすなわち「病気をしっかり治して、患者さんにやさしい医療」を合言葉に医局員が力を合わせて診療を行っています。この両者は相反することのように思えますが、日ごろの技術の向上と医局員全員での徹底したカンファレンスでの議論を通じ、多くの患者さんに対して行えていると思います。
また、先進・先端医療にも力を入れています。現在手術用ロボット「da Vinci(ダヴィンチ)」は滋賀県では当院のみに導入され、前立腺癌に対する前立腺全摘除術に対して用いており、出血が少なく回復も早い手術です。また、同じ前立腺癌に対しましては放射線療法の一種である密封小線源療法も、滋賀県では当院のみに導入されています。
泌尿器科においても多くの施設で行われるようになった腹腔鏡手術は、当科においても中心的な手術手技になっています。この腹腔鏡手術は高度な技術が要求されるため、その技量を評価し、一定の基準を満たしたものを認定する腹腔鏡技術認定制度が各領域の学会を中心に行われています。私はこの制度の泌尿器科領域の核審査員として、制度を立ち上げ、審査基準を制定し、審査員を選任し、実際の審査を行うという任務を果たすとともに、安全な腹腔鏡手術が普及するように学会員に対し教育を行ってまいりました。このような経験をもとに、当科においても安全で患者さんにやさしい手術の指導、教育を行っていますので、安心して受診してください。
以上私たちの診療に対する取り組みをいくつかご紹介しましたが、詳細は各疾患の項をご覧ください。本当に患者様のためになる治療を、これからも医局員一同が一丸となって行っていきます。泌尿器科の病気でお悩みの方はセカンドオピニオンを含めて、気軽にご相談ください。

河内 明宏

滋賀医科大学泌尿器科学講座の沿革

「経済社会基本計画(1973)」に盛り込まれた無医大県の解消(いわゆる「一県一医大構想」)に伴う国立新設医科大学の一つとして,1974年10月に滋賀医科大学が開学いたしました.開学から3年半を経た1978年4月,初代教授友吉唯夫(~1997年)のもと当泌尿器科学講座は設立されました.設立当初はわずか3名のスタッフから歩み始めましたが,友吉教授在任の19年間において医局員の増加とともに本学附属病院ならびに県内外関連病院泌尿器科診療の充実が図られ,また研究面においても施設・機器の基本整備がなされて現在の教室の礎が築かれました.

1998年12月,第2代教授として岡田裕作(~2013年)が着任しました.臨床面では禁制代用膀胱などQOL重視の尿路変向術,進行癌根治を目指した拡大癌手術,腹腔鏡を用いた低侵襲手術,県内唯一の前立腺癌密封小線源治療,難易度の高い小児形成手術,女性泌尿器疾患の専門外来開設など,疾患根治性と患者様のQOLの両立を目指して種々の新しい取り組みに着手し,現在の講座の土台となっています.また,研究面では精巣腫瘍のエピジェネティクス解析で世界的評価を受けるなど,高いレベルでの研究成果をあげてまいりました.