外陰,生殖器

(1)包茎

保存的治療(包皮翻転指導±ステロイド軟膏塗布)を主に行っています。宗教的理由や、本人の希望が強い時は包茎手術(環状切除術)を行っています。

子供

(2)陰嚢水腫

小児の場合はほとんどが腹腔内と交通している交通性陰嚢水腫です。鼠径部超音波検査で鼠径ヘルニアの有無を確認しています。痛みや鼠径ヘルニアを合併している場合や、本人が手術を希望した場合は手術適応と考えます。手術は陰嚢切開ではなく、鼠径部切開で行っています(約2.0cm)。症状がない場合は、自然消失・軽快が十分期待できるため、経過観察を行っています。

(3)急性陰嚢症

尿検査、精巣超音波検査で鑑別診断(精索軸捻転、精巣上体炎、精巣炎、附属器捻転、)を行います。精索軸捻転症が疑わしい場合、緊急手術の対象になります。思春期以降の精索軸捻転の場合、精巣を温存できるのは発症後6時間以内と言われています。思春期で局所を人に見せるのを嫌がるため、受診が遅れることがあります。また痛みが下腹部(おへそのあたり)に放散するので、右側なら虫垂炎と間違えられることもあります。痛がっていたらすぐに病院に行きましょう。手術は陰嚢部の切開になります(約1.5cm)。

(4)停留精巣

最も頻度の高い疾患です。生まれた時から、陰嚢の中に精巣が見られない状態を指します。生後6ヶ月ぐらいまでは自然下降が認められると言われ、頻度は約1%です。
停留精巣で将来困ることが2つあります。一つは男性不妊症です。精巣は温度が低い方が良く育つため、陰嚢という皺のたくさんある袋の中に納まっています。皺がたくさんあることによって表面積が広くなり股の付け根(鼠径部)と陰嚢とでは温度が約1℃違います。停留精巣は、1歳6ヶ月を過ぎると温度による影響がではじめるため、手術は早期(遅くても2歳まで)にするのが望ましいと言われています。もう一つは悪性化です。日本人は人種的に精巣腫瘍の発生頻度が低い民族です。しかし、停留精巣の既往のある方は、健常人に比べ10倍ほど癌になりやすいと言われています。早期に手術をしたとしても、悪性化を完全に防ぐことはできないと言われているので、精巣腫瘍の好発年齢(20歳から40歳)の時期には、自分で精巣の大きさをチェックする必要があります。手術をして陰嚢内に精巣を下降させることができれば、自分で、もしくは家族の方が容易に触れることができるので、早期発見につながると考えられています。数回の診察で、移動精巣(遊走精巣)ではないことを確認します。非触知停留精巣の場合、腹腔鏡検査がもてはやされていますが、全ての症例で必要なわけではありません。私たちは不要な腹腔鏡検査を避けるために、手術前日にMRI検査を行っています。鼠径管内精巣や一部の腹腔内精巣や萎縮精巣は診断が可能です。MRIで判断ができなかった場合のみ、腹腔鏡検査を行っています。手術時間は片側約1時間です。移動精巣(遊走精巣)のケースで手術が必要になったケースでは陰嚢部切開のみで手術を行っています。

(5)移動精巣(遊走精巣)

停留精巣と良く似た病態ですが、精巣を持ち上げる筋肉である精巣挙筋の過活動が原因であると言われています。特徴的なのは、生まれてすぐには精巣はしっかり袋の中に収まっていたけれども、その後の健診で指摘されるようになったといった例です。約90%が正常男児と同様の発育を遂げるため、手術は不要であると考えています。しかし、数年後に上昇してしまい、手術が必要になるケースが約10%ほどあるため、定期的診察が必要です。

子供

(6)尿道下裂

中等度以上の尿道下裂(陰茎部、陰茎陰嚢部、陰嚢部、会陰部)に対し、一期的尿道下裂修復術を行っています。陰茎サイズが小さい場合、男性ホルモン補充(テストステロンの軟膏もしくは注射)を行ってから手術を行っています。手術時年齢は8-10ヶ月時に行うようにしています。

(7)陰唇癒合症

おむつをしている乳幼児に起こります。小陰唇が正中で癒着した状態です。希望があれば、全身麻酔下に癒着剥離を行います。